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先輩の携帯に連絡を取ろうと携帯を見ると、先輩からの着信が何件も残されていた。
もしかしたらと、涙目になりながらかけ直すと、出たのは先輩の旦那さんだった。
「もしもし」
憔悴しきった声が聞こえて来た。
「私、中川夏海の夫の中川達央と申します」
「あ、あの先輩は?!」
「今朝、亡くなりました。橘さんでお間違いないでしょうか?」
「そんな…」
「橘さん。今、よろしいでしょうか…?」
家族からの不可避な報告に、私は一気に力が抜けてしまう。
今まで実感が沸かなかったからこそ、耐えてこられたものが、一気に溢れだし、電話の声も全く入ってこなかった。
何かしら言っているようだが、今の私には理解することが出来なかった。
なんと言っていっていたかあまり覚えては居ないが、日を改めて、旦那さんと会うことになった。
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