エピローグ

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だが彼らの世界では、それを不思議と思う者は誰もいない。 ただ、言葉のリズムと口調を感じる。 それが、彼らのコミュニケーションだからだ。 『分かっています』 青年は、再びゆっくりと頷いた。 その彼の頭上で、星が一つ、細い光の線となって流れていった。 それを目に、青年は静かに思う。 もうどれくらいの流れる星を目にして、彼女を待ったことだろう。 またどれくらい彼らの間でも、この同じ話が、繰り返されただろう。 そして今、老人と青年の挟んだ空間には、真の沈黙が横たわっている。 だがその沈黙のまま、互いの目の奥が映す言葉が 再び、ゆっくりと音とは無縁の会話を始めた。
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