第1章

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 ああ、思いだしちゃだめだ。  また泣いてしまう。  ごしごしと目をこすった。  これ以上、座り込んで考えてたら気が滅入りそうだ。  なんか、おなかすいてきたから、またゴミあさりに行かなきゃ…。  ゆっくりと顔を上げた。 「起きたか、お嬢ちゃん」  自分の顔から、血の気が引いていくのがわかった。  暴れ騎士だ。  世界隔離後に、街に出てくるようになった騎士のフリをした悪人。  見つかれば、すぐさま殺される。  しかも、二人組。   「顔が、真っ青じゃねえか、お嬢ちゃん。何におびえてるんだ?」 「殺しゃしねぇよ。俺たち、騎士だからな」  低く、ドスがきいた声が耳元で響く。  歯がカチカチ震えだした。怖い。何をされるんだろう。  痛いのは、嫌だ…!
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