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ああ、思いだしちゃだめだ。
また泣いてしまう。
ごしごしと目をこすった。
これ以上、座り込んで考えてたら気が滅入りそうだ。
なんか、おなかすいてきたから、またゴミあさりに行かなきゃ…。
ゆっくりと顔を上げた。
「起きたか、お嬢ちゃん」
自分の顔から、血の気が引いていくのがわかった。
暴れ騎士だ。
世界隔離後に、街に出てくるようになった騎士のフリをした悪人。
見つかれば、すぐさま殺される。
しかも、二人組。
「顔が、真っ青じゃねえか、お嬢ちゃん。何におびえてるんだ?」
「殺しゃしねぇよ。俺たち、騎士だからな」
低く、ドスがきいた声が耳元で響く。
歯がカチカチ震えだした。怖い。何をされるんだろう。
痛いのは、嫌だ…!
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