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ガギイイイッ!
体に来るはずの衝撃より先に、金属と金属がこすれ合うすさまじい音が耳元でした。
「なっ、なんだおめえ!」
おずおずと目を開ける。
目の前には、暴れ騎士と同じ格好をした黒髪の男が立っていた。
細身で、暴れ騎士と比べたら体格もそんなによくない。
だけど、表情一つ変えずに暴れ騎士の剣を受け止めていた。
どうして? どうして暴れ騎士どうしで、戦っているの?
「関係ねぇ! やっちまうぞ!」
二人が一人に襲い掛かる。
ビュオッと二本の剣が空を切る。
黒髪の男は、ひょいひょいとそれをよけながら、徐々に暴れ騎士に近づいていく。
そのうち、暴れ騎士は青い顔をして、ズルズルと後退し始めた。
「な、なんであたらねぇんだ…」
そう、気持ち悪いぐらい彼に剣が当たらないのだ。
彼は本気でよけていない。それは、そのふらふらした足取りからわかる。なのに、二人がかりで彼にかすりもしない。
何者なの…?
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