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そうこうしないうちに、暴れ騎士達の肩がドサッと向かいの壁に当たった。
「あ…!」
暴れ騎士の顔は、より一層青ざめた。
黒髪の男がぐっと、二人に近づく。
「…終わりか?」
地の底から響くような低い声。
こちら側から彼の顔は見えないが、背中からびしびしと殺気が伝わってくる。
…鳥肌がたってきた。
「し、死ねえええ!」
パニックを起こしたのか、暴れ騎士が黒髪の男に向かってめちゃくちゃに剣を振り回し始めた。
咆哮が、響く。
「まずい…!」
黒髪の男がぐるりと振り返った。
「どこか、ガレキの影に隠れろ! 危ない!」
私は慌てて近くを見回し、もたれていた赤レンガの後ろに隠れた。
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