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『人間とは、本当に愚かだ…』
彼が呟くと暗い雲の隙間から光が差し込んだ。真直ぐに伸びた光が彼の背に届く。
男の背中にはその光さえ色褪せてしまう程に輝く純白の翼があった…
男がもう一度天を仰ぐと、漆黒の雲が光を遮っていく。男は視線を戻し他の者たちに近づいた。
皆、悲しげな瞳を湛えたまま一点を見つめている。だが男に気付いたタカノリが彼に顔を向けた。
『ねえ、リュウジ』
声を掛けられリュウジは足を止める。
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