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『ナオトに黒衣を纏わせた奴はもうすでに生まれ変わったんだよね。エリーには俺が黒衣を纏わせて、ケンジロウと俺、そしてナオキはリュウジが…』
『ああ』
『じゃあ、リュウジに黒衣を纏わせたのはどんな人だったの?』
そう聞かれたリュウジは黒い雲に覆われた空を見上げた。そしてその瞳を一瞬だけ閉じた彼は静かに答えた。
『俺に黒衣を纏わせたのは…神だ…』
感情の無いリュウジの声。その答えにタカノリは瞳を伏せた。
『神か…そうだね。俺たちはみんな、神の意志でここにいるようなものだ』
『…』
リュウジは黙ったままタカノリに背を向けた。そして彼から少し距離を取るとまた天を見上げた。
『そう…俺がここにいるのは神の意志だ』
呟いたリュウジの瞳はすでに遠く過ぎ去った過去を見つめていた。
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