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『今、天界は大騒ぎです。天使長アキラ様が禁を犯されました』
『何かの間違いでは?アキラ様がそのような…』
リュウジは声を荒げ意を唱えるため顔を上げた。だがその言葉はガブリエルの冷たい視線に阻まれる。
リュウジは何も言えなくなっていた。リュウジもアキラも熾天使の名を持つが、その名で呼ばれることを好まない。だが目の前にいるガブリエルは二人とは反対に熾天使の名以外で呼ばれることを嫌う。
それは彼がその役職に誇りを持つためか、権威を振りかざしているからなのか…
『アキラ様は何の禁を…』
『あの方は人間を愛したのです。熾天使ミカエルの名を持つ方にあるまじき行為。神は大変お怒りになり、あの方をとある場所へ堕とされることをお決めになりました』
『そんな…しかしアキラ様はこの天界の…』
『リュウジ』
ガブリエルは静かに彼の名を呼んだ。だがその瞳はやはり冷たく、リュウジの言葉を聞きいれる気はないとその瞳で告げていた。
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