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そしてアキラが天界からある場所へと堕とされる日、リュウジはガブリエルに呼ばれた。そこでリュウジは耳を疑う言葉を聞くことになる。
『リュウジ、アキラ様からはあなたの記憶を消してあります。天使であるあなたが一緒にいてはアキラ様が真実の心を見せない可能性も考えられるからです』
『…』
納得がいったかと言えば嘘になる。しかしリュウジにガブリエルの決定を覆すことはできない。
それよりもアキラのそばにいられることの方がリュウジには大切だったのかもしれない。
リュウジが頷くとガブリエルも頷いた。
『アキラ様のこと、頼みますよ』
リュウジは黙って頭を下げた。そして顔を上げたリュウジは暗い雲に覆われた世界に立っていた。気づけば彼は黒い服を身に纏っている。その隣にいたのはアキラだった。アキラはリュウジに気付き、彼の顔をじっと見ていた。
『ここは何もないな…』
そう言ってアキラは別の方に視線を向けた。
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