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A「ねぇ、聞いているの?」
「……」
A「ねぇ!!」
「……」
A「お饅頭食べたでしょ?」
「……」
A 「コラ、無視するなっ!!」
チラリと私を見て、生意気にもため息を吐いた。
「愚かな。ここは外で、俺は犬だぞ?」
A「……あ。」
今更気付いたという様子の少女を見て、再びため息を吐く犬は足を止めて少女を振り返る。
「知り合いに見られたら面倒だ、と言ったのはお前だ。自重しろ。」
A「あ―……忘れていた。」
「間抜けだな。」
がっくりと項垂れ、落ち込む様を鼻で笑い、犬は少女を見上げる。
B「広瀬……今、犬と喋っていたよな……?」
バレた。
その瞬間二人は顔を見合わせ、無言で走り出して逃げ出した。
呆然と後ろ姿を見つめる少年だけを残して。
End.
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