新たな命

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____バタン。 「じゃあ みんな明日頼むね」そう言って 堤さんは 今回も南條さんちのホテルに泊まるため 中に入って行った。 叶大さんが 運転席に戻って車を走らせると 「堤さんは お前ん所のマンションに泊まらないんだな」皇さんに聞いて来た。 「俺らも 一緒に泊まって下さいって言ったんだけどよ、どうも 親父が 堤さんとまた飲みたいらしくって離してくれないみたいよ」 呆れ顔で 皇さんが返事した。 「今夜は ダンディー組の皆さんが集まるそうですよ」私も 皇さんに膝枕をされながら 話に入った。 「ダンディー組? それって悠斗の父ちゃんも入っている アレ?」 叶大さんが バックミラーでチラッとこっちを見た。 「そう!悠斗の父ちゃんも 明日の法事には出られないけど 今夜の飲み会は参加するって。まぁ 俺らもいないし 堤さんには関係ない事だし 別に いいんじゃない?」 皇さんも バッグミラー越しで叶大さんに返した。 「そっか・・・・・・そうだな。あっちはあっちだもんな。あ、お前ら ホテルに顔出さなくてよかったの?親父さんとお袋さん 待ってたんじゃないの?」 「いいよ!別に」 「そうも行かなかったんじゃないですか?」 「いいの。お前だって 今 お袋につかまったら 放してもらえないぞ。そんな体調の時に 無理に会わなくてもよろしい!」 話し方はつっけんどんで怒って話している風に聞こえるけど 私に掛けられている 皇さんのコートの下では ずっと手を握っていてくれている。 その握っている手に 力がギュッと入ったのが伝わった。 「・・・・・・・・・はい」 車は ほどなく 懐かしの私のマンションの地下駐車場に到着した。
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