好き

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( 高校一年の秋、私は初めてキスをした ) 帰りのホームルームも終わり、クラスメイトはそれぞれ部活に行ったり帰宅したり。 「みゆ、まだ帰らないの?」 親友の紗季が日直の仕事を終わらせてやって来た。 「うん、ちょっと……」 紗季はみゆの行動に怪しんだが、彼氏との待ち合わせがあるからと「また明日ね」と言って先に帰っていった。 15分程席に座っていたが気分転換に窓側に歩き、帰宅している生徒がいる校庭を見下ろす。 中には男女で歩く生徒もいた。 心が少しふわふわし、地に足がついていない気分になる。その原因は…… 「みゆちゃん、お待たせ」 男性の声がして振り向くと、そこには友也がいた。 「先生に提出するプリントがあって……ごめんね」 「友也君、走って来たの?」 友也は肩で息をしていた。 「あたりまえ、だってみゆちゃんを待たせているんだし」 「ありがとう…」 みゆと友也は夏休みに友達と行った夏祭りで出会った。はじめは友達の後ろに隠れていたみゆだが、あまりの人の多さに友達とはぐれ困っていたところを、友也が見つけてくれた。 それから友也はよくみゆに話かけるようになり、みゆも友也の優しさや明るいところに惹かれていった。
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