裏庭の君

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1週間後、俺は周防と一緒に食堂に来ていた。 「まぁでも、レポート提出できたし良かったんじゃないのか?」 「まぁな。」 1週間前のあの日、レポートは全く進まなかった。 進めようと思えば思うほど、綾世教授の言葉が頭から離れず、集中できなかった。 結局、周防に半分以上手伝ってもらってなんとか提出できたわけだけど。 お礼に奢るからと言って断ろうとする周防を無理やり連れてきて、今に至る。 「...にしても珍しいな。お前がレポート進まないなんて。」 「...俺もそう思う。」 「自慢か?」 「いや、違うけど、いつもならこんなことないのになーと思って。」 「...それもそうだな。」 『いつもなら』という言葉が最近頭をよぎる。 人に執着してレポートが進まないなんて、『いつもなら』絶対ありえない。 そう思うほど、今の俺は俺らしくない。 ほんとにどうしたんだろ、俺。 「何か悩んでいるみたいだな。」 「ん~?ちょっとな。」 「話を聞いてやりたいが、次は講義が入っているから、これで失礼する。」 もう行くのか?もっと頼めよ、俺の奢りなんだし。」 周防が食べていたのは食堂のメニューの中でも低価格な塩ラーメンだった。 俺を気遣ってなのか、いつもセットで注文している半ライスや半チャーハンがない。 「いや、遠慮しておく。友人に飯をたかるほど、俺は困ってないからな。」 そう言って周防は食堂を去っていった。 ...漢前なヤツだ。 周防は(本人は気づいていないが)密かに女子から人気がある。 いわゆる『漢の中の漢』ってところが女子にウケたんだろう。
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