第1章

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曇天_____文字通り、曇りのことだ。 私の心は曇天よ… 私、前園 美樹。気軽にミキ、って呼んでね 私の恋人は勉強、だった。今まではね。 今は好きな人がいるんだ。 速水 祐介君っていう学校きっての五大美形のうちの一人。 ファンクラブもあるのよ? すごいよね。ほんとに…… 勉強なんてしなくてもできて当然。運動だってお手の物。 文武両道に秀でているスーパーボーイ、それが彼だ。 サラッとした長めの黒髪、切れ長の冷ややかな目、スッと通った鼻筋、薄い唇は白い肌をさらに冷たく見せる。 彼は冷たそうだけど、意外に優しいの それに気づいた時、私は既に恋に落ちていたわ。 恋って不思議ね…方程式なんてまるでない。科学的にも証明されていないけど、確かにある。 それが恋。それが愛。 嗚呼、神様。素敵なご縁をありがとうございます。 ですが、私は彼を遠くから見ているだけで良いんです。 彼の事を、私より昔から深く愛している人は沢山いるもの……
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