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ー no side ー
「「はぁ~~?」」
とある家に二人の声が響き渡った。
その原因は一人の少年の発言にある。
何の前触れもなく日本へ行くと言い出したのだ。
驚かざるを得ない状況に追い込まれ、声を上げた二人はというと、現状に頭がついていかない中、必死に頭を働かせていた。
「何故、日本へ?」
我に返った一人が率直な疑問を口にした。
少年はというと、
「日本の高校に興味があったからですよ。」
と、まるでおもちゃを前にした子どものように、キラキラした笑顔で答えた。
「それと、この家には明日からいないのでよろしくお願いしますね。」
「「………へ?明日??」」
まるでサラダを盛りつけるように、淡々と言葉を付け加えていく少年に、当然間抜けな声が上がるわけで。
二人がワナワナ、アタフタと動揺しながらも辿り着いた答えは、
「「アイツが許さないよ!!」」
だった。
よほどその"アイツ"、第三者が重要なのか、二人は異常なまでの焦りをみせていた。
しかしそんな二人をよそに少年は、会話の内容よりも二人のシンクロ率の方が気になっていた。
先程から驚くタイミングやその時の発言が全く一緒というシンクロ率を見せている。
それはもう、双子並みで。
「心配しなくてもちゃんと許可を貰っていますよ。
何かあれば連絡するように言われていますけどね。
それでは二人とも、行ってきますね。」
二人は手を振りながら去る少年に、
「「…いってらっしゃい。」」
と言うしかなかった。
ー no side end ー
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