自分に自信のない俺は私服姿をみられたくない

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前から歩いて来る人物に、俺は度肝を抜かれた。 (あいつは・・・河村!?) 自分に自信の無い俺は、私服姿を知り合いの誰にも晒したくなかった。 ましてや、学校の奴なら尚更だ。 どうやら向こうは、すっかり色づいた紅葉に気を取られているようで俺の存在に気付いていない。 ちゃんと前見て歩けよ、と注意したくなるが今の俺にとっては好都合だ。 (このまま気付かれない内にーーー、) 俺は何食わぬ顔で河村の横を通り過ぎた。 「あ」 何かに気付いたように足を止める河村。 (ば、バレたか!?) けれど河村はそれ以上何も言わず、何もアクションを起こさなかった。 ・・・。 【翌日】 「でさ、昨日犬の散歩してた女子が超カワイかったんだよな。またあの道通って帰ろっかなーなんて」 「河村、それはやめとけよ。ストーカーって思われんぞ」 ・・・というか、その女子は女装してた俺だッ!!!
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