第2章

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はい、はい、とその答えを聞いていた舞の顔が青ざめていく。 「それ以外に方法は? わかりました」 そして舞は電話を切り、私の方に向き直る。 「美香、この世界から私たちが無事に逃れる方法はないみたいよ。 そういった舞の顔が狂気に歪む。 「私か美香のどちらかしかこの世界からは出られない。 だから、あなたを殺すしかないの」 その手に持つのは金属製のナイフ。 笑った顔には狂気が見えている。 私は冷や汗をかく。 「あなたが迷い込んで来なければ」 舞のナイフが私の髪をかする。
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