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「一つ目はこいつがどこに消えたか。多いとはいえ細い竹刀だ、隠そうと思えばどこにでも隠せる。問題は入れ物の方。こいつは少し、隠すにはデカ過ぎる」
俺が話し始めると、クラスメイトは皆俺を見て、何も言わずに聞いている。
俺はそのまま続けた。
「そこで俺が思いついたのがごみ捨て場だ。多目的ホールからそれほど離れていない上に、あそこにはこのバケツと同じ物がゴミ箱として置かれている」
俺は青バケツに手で触れた。
「竹刀はごみ捨て場の裏に全部転がっていた。ごみ捨て場なんて、正面まで来たとしても裏まで見るやつなんてそうそういないからな。そしてこのバケツはゴミ箱に重ねられていた」
ゴミ箱に重ねられていた青バケツは、正直注意して見なければ気付かないほどしか見ため的には変わっていないし、普通にゴミも捨てられていたから誰も気づかない。
「隠した場所ともう一つ気になったのが動機だ。これまで幾つか事件があった。その中で、最も動機が明らかだったのが竹刀の盗難だ」
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