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「意味がねえのかよ。何がとかじゃねえ。意味が無いから何もしないのかよ。意味があることしかやらねえのかよ。意味が無くてもやれば意味があるかもしれねえだろ。何もしないで決めつけてんじゃねえよ!」
須藤の言葉の意味は二割も分からなかった。
なのに……痛い。
心が……痛い。
「お前は自分のことばっかり考えてさ! 他人のことは考えず、あんなに長い間近くにいたのに、なんで国松の気持ちに気づいてやれねえんだよ!」
須藤に突き飛ばされて、俺は地面に倒れた。
「これからは俺が劇の指揮をとる! 転校生! セリフは死ぬ気で覚えろ! 殺陣は体に叩き込め! もう、これはお前にしかできねえ。頼んだぞ」
「任せろ」
「宇野原! お前に代わりはいねえ。その自覚を持て!」
「はい。分かりました」
「らすと……お前は腑抜けだ……でも、信じてるんだ……お前を……皆が信じてるんだ……だから……お前は自分とケリつけて来い」
須藤はそれからクラスメイト全員に一言ずつ言って回った。
なんなんだ、この気持ちは……。
めちゃくちゃ心が痛い……。
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