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ブルーウィーク六日目、最終プログラムである文化祭の一日目がやってきた。
まばらな配置で蝉が鳴いている。
もうじき夏本番が来るのを感じさせるほどの暑さ。
このまま何もなければとりあえず文化祭は始まってくれる。
文化祭の間は校内土足解禁となるため、俺は上靴に履き替えずに職員室に向かい、多目的ホールの鍵を借りた。
「今日も早いですね、らすと君」
多目的ホールに着く前に、智優と遭遇した。
「おはよ。智優も早いね」
「今日はらすと君に負けてしまいましたけど」
何気無く話しながら俺達は多目的ホールに向かい、そこの扉を開けた。
物置となってから数日経ち、少し埃臭くなりつつあるその場所の電気を点けると、いつもと変わらない風景に欠陥があった。
「竹刀無くないですか?」
「……嘘だろ?」
そんなばかな。
「智優。ちょっと探すぞ」
昨日竹刀を直したのは俺と智優だ。
それからは誰も触ってないはず……。
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