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そう言う概念が無かったからではなく、智優の思考の鋭さに俺は鳥肌が立った。
「須藤には別の目的があったってことか……」
「おそらくですが。でも、それがこの事件の真相に迫る鍵になるかもしれません」
「今の須藤と直ぐに結びつくのは……」
「有紗さんです」
「…………須藤が怪我した時のあれか」
「はい。ただ、事件の解決も重要ですが劇の貴重な練習時間が来ています。とりあえずは部室にある使われていない竹刀を使いましょう」
「そうだな」
その後、劇の練習が終わっても、俺達は竹刀が無くなったことを先生には言わなかった。
小さなこととは言え、これだけ事件が起きてるんだ。
ブルーウィークを中止にされるわけにはいかない。
俺達は隠し通すことを選んだ。
文化祭の開会式を終え、外来の人達がぞろぞろと校内に入ってくる頃、俺と有紗は校舎の四階にいた。
四階の教室は生徒達の荷物置きで、その階にいる生徒は少なかった。
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