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言われてみればコゲ臭い。
それになんか小さな爆竹のような音が聞こえる。
俺は窓から中庭を覗き込んだ。
外に顔を出すと明らかに煙の臭いがする。
それになんだこの音……花火?
「有紗、一階まで下りよう」
「え、うん」
一階まで下りて、音の方へと向かった。
教室棟の校舎横の地面が土の場所に着くと、そこには人が集まり始めていた。
有紗がいると人混みは大変だ。
人が集まる前に何が起きてるか確認しないと。
俺は音の方へと人を掻き分けて進んだ。
どんどん煙臭くなっていく。
そして辿り着いた場所では炎が立ち込めていた。
市販の手持ち花火や打ち上げ花火に火が盛られ、火薬が燃えている。
駆けつけた教員が野次馬でできた円陣を遠ざけ、別の教員が消火器を持ってきた。
大きめの焚き火のように燃えている炎を、教員が消化した。
怪我人は勿論いないだろう。
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