101人が本棚に入れています
本棚に追加
「襲ってくださいと言わんばかりの風貌だからね」
高野刑事の言葉には、いつもトゲがあったけど、
今のこの言葉は訴えていいレベルだと思った。
「………姉は確かに水商売してますけど、
そんなこと望んでもいなかったし、
今回は六年前の事件に巻き込まれただけです」
「水商売も、身体売るようなもんだろ?」
「は?」
派手だったり、
無防備な女は襲われても仕方ないと言っているのだから。
「本気で言ってるんですか?………そんなこと………」
こんな人が、
一般人を守る為に働いているって?
「冗談だよ。そんな怖い顔しないで。
で、松雄は今どこにいるって?」
「………」
私と凛々子は、
こんな人に守ってもらわなきゃいけないの?
「なんだよ、口きけるようになったくせに、大事なことはちゃんと言わないのは相変わらずだな………と電話だ」
♪♪♪♪
イヤな所は
相変わらずなのはお互いさま。
高野刑事は、
ポケットからスマホを取り出して話始めた。
「連続ひったくりのホシ、福岡に逃げてたのか!
よし、俺もすぐ向かう!」
そして、
私の事などどうでも良いかのように、
「おーい、ずっと追ってたヤツ見つかったから俺出るわ!
誰かこっち対応してー」
上着を着て、
部屋から建物から出ていってしまった。
姉の命が脅かされているのに、
ひったくりの方が大事なんだ………。
最初のコメントを投稿しよう!