葵の決意

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「襲ってくださいと言わんばかりの風貌だからね」 高野刑事の言葉には、いつもトゲがあったけど、 今のこの言葉は訴えていいレベルだと思った。 「………姉は確かに水商売してますけど、 そんなこと望んでもいなかったし、 今回は六年前の事件に巻き込まれただけです」 「水商売も、身体売るようなもんだろ?」 「は?」 派手だったり、 無防備な女は襲われても仕方ないと言っているのだから。 「本気で言ってるんですか?………そんなこと………」 こんな人が、 一般人を守る為に働いているって? 「冗談だよ。そんな怖い顔しないで。 で、松雄は今どこにいるって?」 「………」 私と凛々子は、 こんな人に守ってもらわなきゃいけないの? 「なんだよ、口きけるようになったくせに、大事なことはちゃんと言わないのは相変わらずだな………と電話だ」 ♪♪♪♪ イヤな所は 相変わらずなのはお互いさま。 高野刑事は、 ポケットからスマホを取り出して話始めた。 「連続ひったくりのホシ、福岡に逃げてたのか! よし、俺もすぐ向かう!」 そして、 私の事などどうでも良いかのように、 「おーい、ずっと追ってたヤツ見つかったから俺出るわ! 誰かこっち対応してー」 上着を着て、 部屋から建物から出ていってしまった。 姉の命が脅かされているのに、 ひったくりの方が大事なんだ………。
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