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まだ、岩田と松雄が繋がっていたことに驚く私の背中を、
ドン!と押して、
凛々子の前に倒れさせた松雄。
「………なにするの?」
一応畳は敷いてあったけれど、それはボロボロで、
クッションになるどころか、当たった皮膚は擦り傷ができそうだった。
「岩田、お前。どっちがいい?」
私の言葉は完全にスルーして、松雄は
涙目で私を見る凛々子の髪を手荒に掴んで見せた。
………なにが、″どっち″なのよ?
「岸島に捨てられたもん同士、一緒に籠るのもアリかと思ったけど、
俺は出来たら女と二人きりがいい」
きっと、ここまで凛々子を運ぶ為に利用された岩田は、
酒が回っているのか、焦点の合わない目で私を見つめていた。
「どっちがお前の身体と合ってた?
やっぱり姉か?
こいつか?」
身体はボロボロのはずなのに、
興奮しきった松雄は、
恐らく岩田にヤられたであろう凛々子と私を楽しそうに見る。
--こいつ、過去の事件のこと、
全然 反省していない。
″サイコパス″
最近、話題になっているワードが私の頭を過った。
人を殺したり陥れたりすることに何の躊躇いも示さず、
そして、
自ら起こした犯罪を反省することのない脳の持ち主。
………ひょっとして、
岩田も、松雄もそうなの?
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