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違う。
二人は中学のとき、そんな感じではなかった。
同級生に苛められつつも、
歯向かうことなく良いようにイジられていた岩田と、
何処にでも居るような、ヤンチャで不良だった松雄。
--二人には、良心があると信じていたかった。
「お前、どっちとも楽しんだんだから、
俺に選ばせろよ」
松雄が、掠れかすれの声で岩田に話しかけるも、
岩田はクスリでもやっているのかと思うほどの飛びぶりで、
全く耳に入ってない様子。
………ううん、″やっているのかと思うほど″
じゃない。
きっと、この虚ろな眼は、
お酒だけで作られたんじゃない。
ボロボロの畳を見渡すと、
何かを焼いたようなアルミホイルが散らかっていた。
「ね、まさか、あんたら、
凛々子にまで………」
この岩田が
やくざ紛いのことをしていた岸島の会社から盗んだのは、お金だけじゃなく、
きっと、
薬物類いのものもあったんだ。
「そりゃ、使うだろ?
気持ちいいもん」
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