葵の決意

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松雄が、クスリを吸引した後と見られる残骸を手に取り、私の目の前にそれをちらつかせ、 「良かったよな、あの動画のとき、 クスリ使われてなくて」 ゾクッとすることを囁いた。 「岩田、どうする?お前、どっちの女置いていく?」 そして、 私のバッグから、財布と封筒を取り出すと、 「ちッ! あんまりねぇな。姉の方も持ってなかったけど」 おろしてきた有り金を震える指で数えだした。 ひょっとして、悪性腫瘍が、 もしかしたら、 運動系の神経にまで悪影響を及ぼしている………? この二人なら、 私か凛々子、どちらかは逃げられるかもしれない。 死神が寄り添った松雄を見ていたら、 そんな安易な発想が私の中に生まれてきていた。
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