101人が本棚に入れています
本棚に追加
一人でいた方が身軽なのに、
どうしても孤独の中での死を避けたい松雄は、
私から奪った現金を掴み、
拘束されたままの凛々子を連れて、
私が乗ってきた車に乗り込もうとする。
「自殺でも何でもしろよ」
放心状態だった私は、
動かない血だらけの岩田を一瞬見て、
そして、
「待って、凛々子を解放して」
車の方へと駆け寄った。
警察が助けてくれるなんて、
そんな期待はしてなかった。
ただ、
「あんたと地獄に堕ちるなら、
それは凛々子じゃない、
私だよ」
松雄の最期を看取らなければいけないとしたら、
同じように罪を犯した私だと思った。
最初のコメントを投稿しよう!