葵の決意

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一人でいた方が身軽なのに、 どうしても孤独の中での死を避けたい松雄は、 私から奪った現金を掴み、 拘束されたままの凛々子を連れて、 私が乗ってきた車に乗り込もうとする。 「自殺でも何でもしろよ」 放心状態だった私は、 動かない血だらけの岩田を一瞬見て、 そして、 「待って、凛々子を解放して」 車の方へと駆け寄った。 警察が助けてくれるなんて、 そんな期待はしてなかった。 ただ、 「あんたと地獄に堕ちるなら、 それは凛々子じゃない、 私だよ」 松雄の最期を看取らなければいけないとしたら、 同じように罪を犯した私だと思った。
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