葵の決意

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ピンポーン……… インターホンを鳴らす音が、 俺を悲観的な世界から呼び戻す。 「どーせ回覧板だろ?」 シカトしようと思ったけど、 ピンポンピンポンピンポン! やたらしつこい。 「くっそ、親父、風呂かよ」 仕方なく、玄関のドアをあけた。 「ケイタ!」 「わ!」 なんと、暗闇の中に、お化けがいた。 「な、な、なんちゅー格好なんだよ? 夜這いか?!」 じゃなくて、 「助けて………」 髪も衣類もボロボロで、まともな状況じゃない凛々子が、 真っ青な顔で立っていた。 というか、 「葵が、ヤバい………」 そのまま、玄関先に倒れ込みやがった。 ………いったい、なんだ? また、男がらみの事件か?
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