第1章

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俺は今、異世界にあるケイオス第五特別訓練施設という場所にいる。 ある人に会う為に。 でも、実際は今さら会ってもしょうがないと思っているし、自力で元の世界に戻れるなら会わずに戻りたい。 でも、自力では戻れないし戻る方法もアイツ等は教えてくれない。だから仕方なくこんなとこにいる。 しかし、その人に会うには、まずケイオス特別訓練施設で一ヶ月の適正訓練に合格しなければならないのだが、それがそんなに甘くはない。 何故あまり会いたいと思ってもいない人に会う為に、こんな事をしなければならないのかも疑問だ。 それに、なにしろこの世界には、俺がいた世界ではあり得ない《魔法》というものが存在している。 まぁ魔法には興味があるから何気にこの世界を楽しんでいるのかもしれないが、それを差し引いてもマイナスな気分だ。魔法を使うには、まずこの、 ガチャ 『ねぇ、ちゃんと合格できそう?』 『あぁ、多分な。てか、ノックぐらいしろ』 いつもノックせずに入ってくるコイツは、高城ヒカリ。 そう。あの日、コイツからあんな物を貰わなかったら良かったんだ。
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