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パジャマを脱ぐと少年の上半身は中肉中背であるが、しっかりとした筋肉がついている。
パジャマのズボンも脱げば鍛えられ引き締まった下半身が見え主にふくらはぎの周りが引き締まっている。
制服に着替え終えネクタイは何処かに放り捨てた。
「こんなもんしてられッかよ。何でネクタイなんて堅苦しいもんがあるんだ」
そう言いながら鞄を持って肩に掛け、玄関前に立つが、少年はあるものを忘れていたことに気付き、すぐ二階の自分の部屋まで戻る。
「これがなきゃ、今日なんて始められねえからな!」
少年が手に取ったもの、それは全てが銀色で形作られた、高価な十字架のネックレスであった。
十字架のネックレスを少年は首に掛け外へと出る。
因みに少年はこの大きな家で一人暮らしである。親は他界しているとかではない、寧ろ家族構成は父母兄姉妹弟の大家族。
両親は北海道へ仕事の都合で転勤し兄姉弟妹は一緒にマンションで同居している。まあ理由はこの少年の異常行動だろうが。
少年の生活とマンションで暮らしている兄弟姉妹は両親によって生活費が送られている。
「ふわあぁぁ~あ……やっぱまだ寝みぃや」
少年はまた呑気に欠伸をしながら高校への通学路を歩いていると、幽霊が少年に向かって突撃していく。
『恨めしやーーー!!!!』
「……………………ふんッ!」
突撃していく幽霊だが、少年は勢いよく踏み込みを入れたバックブローを放つ。
『ゲブッホ!?』
バックブローが頬に直撃した幽霊はぶっ飛び、ゴミを回収していたゴミ収集車のゴミの山に頭から突っ込み、そのままゴミ収集車は発進、きっと幽霊はこのままゴミ集積所に捨てられるのだろう。
「さぁぁぁてと、今日も一日幽霊と対決しながら頑張るか」
幽霊を殴るという、とんでもないことができる七瀬高校二年生
少年の名前は十文字 涼一郎。
彼の日常が始まる。
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