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十文字涼一郎が通う高校。
七瀬高校が涼一郎の目に入ると、正門の向こうに涼一郎が苦手としているわけではないが、関わり合いたくない組織が正門の周りにいた。
「げっ…………………マジかよ」
涼一郎は苦い顔をする。
涼一郎が関わり合いたくない組織、それは風紀委員会である。
そしてその委員長をしている少女。
名を泉渚。
涼一郎は特にこの少女に関わり合いたくないのである。
泉渚は行動力があり、その行動力で数多くの不良を取り締まり、生徒会にも力を貸し幾多の助言をして、高校でのイベントを成功させ、文武両道でもあるためテストも一位から三位に入り、自分に手を出す不良も撃退している。
そのため自他共に認める。不良の十文字涼一郎も泉渚に敵対視されているため、涼一郎は何度も風紀委員長のありがたいお叱りを受けているため、関わり合いたくないのだ。
「朝っぱらから、あんな奴等の注意なんて聞いたら気が滅入るぜ!しゃあねえ別ルートから入るか」
回れ右をして涼一郎は走り出し、裏口に回っていく、裏口には裏門もあるが涼一郎はそこにも風紀委員か教師がいるだろうと予測して、裏門からの中間地点のフェンスをよじ上り学校へと登校。
他の生徒にも気付かれず、柱に隠れながら下駄箱が置かれている玄関へと入っていく。
靴から学校指定の上履きに履き替え、廊下を歩きながら、また欠伸をして涼一郎は自分のクラス
二年D組の扉を開ける。
「ったく……めんどくせぇ授業やりたくねぇ~」
小さくぼやきながら自分の席に座る。涼一郎の席は一番端っこの四番目だ。
「ああぁ~。ようやく休める」
またぼやいていると、涼一郎の席に誰かが近付いてきた。
「よお涼一郎。朝っぱらからテンション低いな!朝なんだから元気良く行こうぜ!」
「寧ろ朝なのにそんなテンション高けぇお前の方が珍しいぞ。浩孝」
涼一郎に話し掛けてきたのは眼鏡をかけた涼一郎より細身な男
相沢浩孝
十文字涼一郎とは腐れ縁の友人で涼一郎と同じく幽霊が見える人間。
「今日も幽霊と一戦あって、お前が簡単にノックダウンさせたんだろ?」
浩孝はまだ座ってない涼一郎の前の席に座り、椅子に両手を置き顎を乗せて言う。
「ああ、そうだよ!今日も幽霊と戦ったよ!そんでバックブローで沈めたよ!」
涼一郎の返答に浩孝は大きく笑う。
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