29人が本棚に入れています
本棚に追加
「はははっ!幽霊を素手でぶっ飛ばすとか、相変わらず面白い体質してんなあ~。涼一郎は」
「うるっせえ、俺は好きでこんな体質になった訳じゃねえし。こんな体質誰かに譲るか捨ててえよ!」
涼一郎は、頭を掻きながら大きな声で言い返した。
「………そんな異常体質、貰いたい奴なんて誰も居ないだろ?」
「わあぁぁってるよ!そんなこと………」
涼一郎と浩孝は楽しく話し合っていると、その楽しい時間は無くなり、ホームルームの時間が来た。
「おっホームルームの時間か。そんじゃな涼一郎、次は昼飯の時間に」
浩孝自分の席に戻ろうとしたが、何かを思い出したのか、涼一郎に振り向き聞いた。
「涼一郎。今日もいつも通りにやっとくか?」
「ああ、やっといてくれ。そんで帰りにノート貸してくれ!」
十文字涼一郎は授業中、いつも机に突っ伏して寝ているのである。しかしそれでは成績に関わるが、そこで相沢浩孝の出番なのだ。
涼一郎は授業中寝て教師に注意を受ける。浩孝はしっかりと分かりやすくノートをとる。
そのノートを帰りに涼一郎に手渡し、浩孝のノートを家に持ち帰り、それを全て写している。
涼一郎は欠伸をして考える。
(確か今日は十六時半に終わって、そのままバイトに行って四時間バイトだから、帰りは九時過ぎになるか…………………それぐらいの時間だったら夜の睡眠時間は少しタイムオーバーするぐらいか)
十文字涼一郎はアルバイトをしている。
アルバイトは週に四~五日入っており、不良で問題児の涼一郎は問題行動を少々起こしているが、力の限り一生懸命働いている。
アルバイトは焼肉屋のアルバイトで、学校帰りから入って三~四時間働いている。
肉を運ぶ仕事や配達に中と外の掃除を細かくやっている。
因みに時給は一二〇〇円である。
すると、ホームルームのチャイムが鳴ると同時に、若く小動物のような可愛らしさを持つ女性教師が入ってきた。
年齢は二十代前半か半ばぐらいだが、この女性教師は七瀬高校で三年、担任教師をやり続けている。
色々な生徒を相手にしたため、三年でありながらかなりの教師腕を持っている。
それと、男子生徒には凄まじい人気を持っている。
十文字涼一郎の担任教師の名は羽山香織
涼一郎は欠伸をしながらも一応起きている。どうやら“今日”はホームルームはちゃんと聞くようだ。
最初のコメントを投稿しよう!