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私と所長は、急いで部屋の中に入った。するとそこには、一ノ瀬裕次郎が、胸にナイフが刺さった状態で、仰向けになって倒れていた。
「だ、誰か、救急車を」
重森さんがそういうのと同時に、先ほどまで、彼の脈を診ていた所長は、首を振って答えた。
「ダメだ、もう脈はない。香織君、警察を」
私は、所長に言われるがままに、携帯で、警察に電話をかけた。すぐに警察に、電話がつながった。いくらか、警察の人と話した後、電話を切り、そのことを所長に伝えた。
「二〇分ほどで来るそうです」
所長は私に、誰もこの部屋に入らないように伝えて、警察が来るまで、現場検証を始めた。
「まず、目に留まるのはこのナイフ。これは、どこから?」
使用人の話によると、それは、台所に置いてあるモノだと言うことだった。
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