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「つまり、誰でも持ち出せるって事ですか?」
私は、その話を聞いて、度肝を抜いた。台所には、誰だって侵入できる。それはつまり、誰でも、一ノ瀬裕次郎を刺すことができたって事だ。
「この部屋は、鍵などかかっていなかったから、誰かが侵入しても、わからないって事にもなります。とりあえず、このままの状態で、警察が来るのを待ちましょう」
私たちは、この屋敷に住む人たちを、別の部屋に移すよう、重森さんに言った。まだ、犯行時間ははっきりしてわからないけど、そんなに時間はかかっていないはず。
「詳しく調べないとわからないですけど、これは他殺だと思います。ナイフの向きが違いますからね。普通、ナイフは下から刺した状態で発見されます。しかし、この人は上からナイフを刺されています。これは、寝ているところを襲われたと、仮定してのですけど」
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