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所長は、例の話はせずに、ただ、美奈子にだけ、会いに来たということで、家に入れてくれるよう頼んだ。
「急なご用事だったので、美奈子には連絡など、取っておりません。時間がかかるようでしたら、別の部屋で待たせてもらっても構いませんから」
「その必要はないでしょう」
奥から、別の男性が顔を出してきた。
「美奈子には、私から説明しておきます。この方たちを、お通しください」
「かしこまりました、旦那様」
重森さんはそういうと、部屋の奥へと消えていった。
「気のきかない執事ですみません。改めまして、私、一ノ瀬裕次郎と申します」
彼はそういうと、私たちに名刺を差し出した。
「はじめまして。私、日暮由樹矢と申します。こちらは、私の部下の」
「木内香織です。よろしく」
私はそういって、名刺を裕次郎さんに、お返事として渡した。
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