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「木内と申しますと、美奈子の」
「姉です」
私はきっぱりと言った。
「そうですか。それでしたら、後で、お部屋に来るように言いつけます。森君、彼女たちを空いている部屋に」
ハイといって、男の子が、奥からやってきた。
「紹介します。こちらは、森健一と言いまして、娘の世話してもらっています。森君、こちらの方は、日暮由樹矢さんと木内香織さん。美奈子に用がありまして、こちらに来たそうです」
「美奈子さんにですか?」
森君は、そういって、私たちの顔をジロジロと見ていた。その様子を見た私は、あれ、この子、どこかで見たことがあるような気がする、と心の中で思っていた。
「どうした、香織君?」
隣にいた所長が、私の顔をじっと見てみる。
「いえ、すみません」
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