事件三 依頼人は森のくまさん

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 私は、知らず知らずのうちに、森君の事をじっと見ていたようだ。森君は、私のことを不審者を見るように、じっとこちらを見ているようだけど。 「あの、こちらが部屋になります。部屋はいかがなさいますか?」  森君は、私たちにそう話した。私は、所長と一緒の部屋だと気が引けるのだけど、美奈子と話をして、それから帰る予定だったから、そこは我慢する事にした。 「それでは、美奈子さんを呼びに行ってまいります」  森君はそういって、部屋を出ていった。 「ヤッパリ、気のせいよね?」 「ん、どうした?」  所長は、先ほど気になっていたことを、私に尋ねてきた。 「あの森健一君の事なんですけど、私、どこかで会ったような気がするんですよね」  私は、自分の思っていた事を、口に出した。
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