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「どこかって?」
「たぶん、気のせいだと思いますけど」
私がそういって、話を中断しようとした瞬間、フスマが横に開いた。それと同時に、一人の女性が姿を現した。
「お姉ちゃん、久しぶり」
私の妹、美奈子だった。
三
所長は美奈子に、今朝方届いた手紙を見せた。
「『森のくまさん』か。まるで、童謡みたいな話よね?」
美奈子は手紙を読むと、その感想を私たちに話してくれた。
「それで、その人に心当たりとかない?」
私は砕けた感じで、美奈子に話しかける。
「さあ、何せ私、この四月にここに来たばかりだから」
美奈子は、目線を右に向けて答えた。
「何でもいいから、最近起こった事件とかさ、話してくれない?」
すると美奈子は、最近、脅迫電話まがいのことを受けたと話してくれた。
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