事件三 依頼人は森のくまさん

9/23
前へ
/23ページ
次へ
「『お前の犯した罪は、わかってるんだぞ』って、低い声で」  美奈子は、震える声で、そう話してくれた。 「『お前の犯した罪』って、一体、何なのでしょう?」  美奈子の話によれば、それを聞いて、裕次郎さんの顔が真っ青になったという事だった。 「それについて、話がしたいと言うことなのかしら?」 「その話を聞いた人は、私以外たくさんいるし、もしかしたら、その中に、犯人がいるのかもしれない」  とにかく、この人が誰なのか、推理するしか方法はない。 「とりあえず、使用人から、話を聞いてみる必要がありますね」  私たちは、美奈子にお礼を言った。美奈子は頭を下げると、部屋を出ていった。 「さっきの話、どう思う?」  美奈子が部屋から出ていった後、私は、所長に質問した。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加