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一
「『私が、この少女とかかわりを持ったのは、手紙をもらった事から始まりました。それによると、自分は半年前、クルーズの事故にあった家族だという事だったという事です。その事故で、親を亡くしたと申す少女が、その数日後に突然、私の元にやってきて、復讐すると、言ってきました。私には、その人が誰なのかさっぱりわかりません。日暮由樹矢様、その事件についての詳細を調べていただけないでしょうか。秋川信二』」
私はその手紙を所長に読んで聞かせた後、フウッと息を吐いた。
「見知らぬ少女? それはまた、変わった事件だね」
所長はそう言いながら、タバコをプカプカ吸っている。
「でも、不思議ですよね。その人が誰なのかわからないのに、いきなり押しかけて来るなんて」
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