事件五 消えた制服

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 彼の妹の紹介で、こちらに来たという事を考えてみると、彼女は中学生、という事になるだろう。 「わかりました。お引き受けいたしましょう。それでお代は、ご両親が支払ってくれるのでしょうか?」  すると、彼女は住所の入った名刺を、私に渡してくれた。肩書きに、プロダクションの名前が入っている。 「こちらの住所でお願いします」 「は、はあ」  私は思わず、名刺を二度見してしまった。     二  彼女が事務所を出て行った後、私は、とりあえず、渡されたブラウスと、プロダクションの名前の入った名刺を片手に、考え始めていた。  あの子の話からすると、このブラウスの持ち主を見つけて欲しいという事だけど、どこから手をつけていいのかがわからない。私が困っていると、所長が助言をしてくれた。 「まずは、その子の学校に、話を聞きに行く事だね」  所長の一言で、私は、我に返って、先ほど、地図を書いてもらった紙を頼りに、学校へ聞き込みをしに行った。
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