事件五

事件五 消えた制服

　一応、学校の許可をもらうために、電話で連絡して、事件性にしないという条件で、聞き込みの許可をもらった。私はまず、その子の担任教師に会いに行く事にした。
　メガネをかけた男性教諭は、その時間は空き時間らしく、話に応じてくれる事になった。
「困ったもんですよ。女子生徒が、無いと叫びだした時は。でも、一応、このクラスの担任ですから、それ相応の対応をしました」
　彼は、ホームルームで、呼びかけをしたのだが、誰も手を挙げる人はいなかったと、話してくれた。
「その時、教室にいなかった生徒はいますか？」
　私の質問に、彼は五人いた事を話してくれた。
「五人とも、授業をほっぽっていなくなる生徒でしたから、覚えています」
　そして彼は、その生徒の名前をフルネームで書いて、書いた紙を私に渡してくれた。私は、その紙に目を通す。