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「ありがとうございました」
私はそれを受け取ると、男性教諭に頭を下げて、その場を後にした。
三
次に私は、紙に書いてある名前の一人、稲垣由加に会いに行ってみた。彼女はこの日、バスケ部の練習のために、体育館にいるという。私は、顧問教師に許可をもらってから、彼女に会った。
「制服?」
彼女はタオルで汗を拭きながら、そう言った。
「そう、夏服のブラウスです。それが行方不明になったから、こうして、あなたに会いに来たのです」
私はそう言うと、依頼人の名前を、彼女に伝えた。
「ああ、あの子か。話したことないけど。あの子がどうかしたの?」
私は、その子の制服が無くなったという事を話した。
「それで、その時、ホームルームにいなかった生徒に、話を聞きに来たんです」
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