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彼は、昔の事のように、そう話していた。人の気もしないで。
「ちょっと、そんな風に話したら、女子の方が悪いように聞こえるじゃないですか。私は、あなたのその行動のせいで、困っている人がいる事を話しているのですよ」
すると、南沢弘は、被害に遭った子の机になんて、触っていないという。
「僕がイタズラしたのは、比奈子だけさ」
比奈子とは、南沢弘の幼なじみらしい。その子に、毎日のようにイタズラしていたんだ。
「たわいのない話だと聞いてくれてもいいけど。そう言えば、小夜子が、この服、誰のって聞いていた事があったな」
小夜子とは、この紙に書かれている辻村小夜子の事か。ちょっと、興味があるかも。
「その子、その後どうしてた?」
「さあな、でも、結局先生の机に置いておいたらしいぞ。落とし物だって言ってな。本人に渡したかどうかは、わからないけどよ」
私はそれを一応、メモに書いておいた。
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