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我は、永久とも呼べる時間の中を闇で過ごした。
闇の中で、炎をあげた我の影より我の半身である青の王が誕生した。
我は、闇を嫌い我の全てを掛けて太陽を作り出し半身は、生命を育む水の惑星を作り出した。
「うん…創世の物語りだね」
うむ、我と半身は手を携え精霊を始め様々な眷属を生み出した。
お前達に伝わる伝承も、我が眷属である精霊達から継承されしものだな。
眷属達は、ある日を境に我と半身を其々の王と崇め敬った。
気が付くと赤の王は、少し寂し気な表情を浮かべていた。
小さな争いから其々の眷属達が、互いに憎み合い戦争を始めた。
初めは、我等を敬う気持ちが強すぎた結果だと思うていたが…実際は、そうでは無かった。
我と半身が、その事に気が付いたのは、随分後になってからだった。
「…王国に伝わる伝承と違う…?」
うむ、我が眷属達が、その事に気が付いたのも、我と半身が居なくなった後だからな
我が、闇を嫌い…太陽を生み出した時、それは太陽の影より生まれた。
それは、我を憎み、光を嫌い…ずっと機会を伺っていた。
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