赤の王と青の王

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「それが…暗黒神カリ?」 そうだ…我が闇を嫌った時、暗黒神カリもまた生み出した我を憎み…我と半身の生み出した全てを憎んだ。 カリは、慎重で狡猾だった。 我と半身の眷属達が、我等を敬う気持ちを利用し眷属達に闇を植え付けた。 我が王こそ、唯一絶対である…より優れていると…な それは、他を蔑み、妬み、貶めた。 負の感情は、瞬く間に拡がり多くの眷属達は、カリの存在に気付けぬまま…お互いを憎み殺しあった。 我と半身が、その事に気が付いた時には、後戻りが出来ない所まで来ていた…余りに多くの命が失われ過ぎたのだ。 我と半身は、望まぬまま…戦う事になった。 眷属達に争いの果てに残る空しさと愚かさを知らしめる為にな。 我と半身が、戦いの果てに相討った時、多くの眷属達の魂は浄化された。 心に潜む闇は、その姿を現したのだ。 我と半身は、自らの魂の欠片を使い、姿を現した暗黒神カリと魂までも邪悪と化してしまった眷属を地の奥底に封印したのだ。 我と半身が、彼の者の存在にもっと早く気付き協力出来ていれば… 赤の王の無念な胸の内が、悲痛な叫びとなり聞こえてくるようだった。
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