赤の王と青の王

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コルフィの精神体は、漆黒に染まる闇の中にいた。 自らの意志では無いが…最も尊敬していた兄を自らの手で、殺した大罪に精神は、押し潰されそうなっていた。 生きる気力さえも失い掛けたコルフィに兄の声が、微かに聞こえてきた。 最初は、自らの弱さが生み出した幻聴かと思っていたが… 闇の世界に緋色の波紋が、広がる度にアルスの声は大きく強くなっていく!? 「コルフィ!?目を覚ませ!!闇になんか負けるな!?」 アルスの深紅の神槍とコルフィの漆黒の長剣が、ぶつかる度に起こる紅蓮の波紋が、精神の峡にある闇の世界にまで影響を及ぼしていた。 『兄さん?兄さん…を傷付けた僕を助けに…』 コルフィの頬に一筋の涙が溢れ落ちる。 『僕は、兄さんを支えたい!!守りたいんだ!!もう二度と傷付けたくない。』 コルフィは、全身に力を込め四肢を押さえ付ける闇の呪縛に抵抗をする。 神槍から発生する深紅の波紋が、後押しをするように闇を退けていく。 そして遂にコルフィは、闇の呪縛から脱出するのだった。
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