赤の王と青の王

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表情とは、裏腹に紅蓮の波紋を受けたコルフィの身体と瞳には、生気が吹き込まれていく。 アルスの神槍が、コルフィの漆黒の長剣を天高く弾き飛ばした。 漆黒の長剣は、弧を描きながら宙を舞い…暗黒神の前で大地に突き刺ささる。 カリは、つまらなそうに漆黒の長剣を引き抜くと 【壊れた玩具は要らない…】 コルフィに向かって漆黒の長剣を投げ付けた。 漆黒の剣は、凄まじい速さでコルフィに向かってくる。 アルスは、助けようと手を伸ばすが…僅かに間に合わない!? 漆黒の長剣が、コルフィの心の臓に… …ザシュ!? 深々と突き刺さった。 コルフィの心臓に長剣が刺さる瞬間、一瞬だが身体が青く輝いた様に見えた。 「あ…あぁ…コルフィ」 アルスが、コルフィの身体に触れようとした時!? 『兄さん、僕なら此処だよ』 心臓を貫かれた筈のコルフィの身体は、きらきらと輝きながら砕け散り… その後ろから青い長剣を片手に笑顔を見せるコルフィの姿があった。 『幻夢氷剣…実を幻にしてみせる氷の神剣だよ』 それは、青の王から授かりし新たな力だった。
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