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アルスは、亀裂の走った深紅の槍を茫然と眺めていた。
「あぁ…赤の王の槍が…」
暗黒神カリは、アルスの顔に絶望を見て嘲笑う
【ハッハッハ…人の子の分際で、本気で神に勝てると思っていたのか?】
カリは、話ながらも漆黒の剣を振り続ける。
深紅の槍は、斬激を受ける度に新たな亀裂を増やしていく。
「や…やめて…くれ…皆の希望が…」
気付けば、アルスは絶望に涙まで流していた。
【クックッ】
カリが、渾身の力で漆黒の剣を振り抜くと甲高い音と共に深紅の槍が、真っ二つに折れた。
二つに折れた神槍を手に…人形の様に立ち尽くすアルス…
【次は、その首を落としてやろう】
カリは、アルスの首に向かって漆黒の剣を振り下ろした!!
ガキッ!?
その時、凄まじい衝突音が鳴り衝撃波が周囲の木々を薙ぎ倒す。
続いて舞い散る青く輝く欠片…
『兄さんは、殺らせない!!』
アルスとカリの間にコルフィが、立ちはだかる。
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