秋の学校で…。

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 オレには親友がいる。今は違う中学にいるが、よく遊んでいる。小学校の頃、同じクラブチームで野球を頑張ったんだが、その頃にもう、オレの方は潰れていた。ボールをおもいっきり投げられないんだ。肩が抜けるようになってしまうんだ。病院で調べてもらったら、いろいろと難しいことを言われた。手術とかは怖かったから、しなかった。それを後悔した、オレがいる。  放課後は、野球部の練習を見るオレがいる。――アイツ、ヘッタクソ!―― などと、こころの中で笑った。でも、うらやましいんだよな。ヘタでも野球ができるヤツが。肩に負担がかからないスポーツを選んで入部したけど、飽きた。やっぱり、野球、したいよな。  一旦家に帰って、服を着替えてひとりでフラフラする。自転車が野球の次に好きなスポーツだ。これなら肩の心配はほとんどいらない。もし中学に自転車競技部があれば、入っていたかもしれない。  少し遠出をした。アイツはまだ野球をしている。当然だろう。アイツの中学に様子を見に行った。アイツはオレと違って社交性の塊だ。そして、誰よりも野球がうまかった。アイツがいない? あれ? 休んでいるのか? その時は、大して気にもならなかった。
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